平成18年度の税制改正において、役員報酬に関する規定が大きく変わり
ました。
法人税法の規定上、役員報酬も賞与も「役員給与」とひとくくりにし、役
員給与のうちで、「定期同額給与」「事前確定届出給与」および「利益連動
給与」に該当する給与が限定列挙型で損金算入されることとなりました。
さらに一定の同族会社については、オーナー役員等の給与の損金算入を制
限する規定も設けられました。この規定につきましたは、前月号で報告させ
ていただきましたので、今回は「役員給与」について、解説したいと思いま
す。
★定期同額給与
次の2つの要件を満たす給与をいいます。
@「定期要件」
支給時期が1ヵ月以下の一定の期間ごとであること。
A「同額要件」
その支給時期における支給額が事業年度を通じて原則同額であること。
定期同額給与とみなされる給与
@期首から3ヵ月以内に増額改定された定期給与
〈要件〉
イ.改定が期首から3ヵ月以内であること。
ロ.改定前の各支給時期における支給額が同額であり、かつ、改定以後の
各支給時期における支給額が同額であること。
A経営状況の著しい悪化等の理由により、期中に減額改定された定期給与
〈要件〉
イ.減額改定であること。
ロ.改定前の各支給時期における支給額が同額であり、かつ、改定以後の
各支給時期における支給額が同額であること。
B法人から役員に継続的に与えられる経済的利益のうち、その利益の額が毎
月おおむね一定であること。
★事前確定届出給与
「定期同額給与」「利益連動給与」以外に役員に給与(退職給与等を除く)
で支給時期、支給額があらかじめ定められており、その内容に関する届出書
を所轄税務署長に提出しているものについては、原則として損金算入が認め
られます。(平成18年4月1日以降開始の事業年度から)
その届出の時期は、「その給与に係る職務の執行を開始する日」と「期首
から3ヵ月を経過する日」とのいずれか早い日(届出期限)までに届け出る
必要があります。
★利益連動給与
平成18年4月1日以降開始する事業年度から、同族会社に該当しない内
国法人は、一定の要件を満たす利益連動給与は損金の額に算入されることと
なりました。
いずれも、中小企業者にとっては大事なものばかりです。どうか十分にご
検討の上お取り扱いください。